風雪に耐えた宝蔵の木組
御影堂の前にあるお堂が大日堂。
そこからずっと南、
南大門の西側にある神社が鎮守八幡宮です。
宝蔵は、東側。
延焼しないように堀で囲われています。
初夏には、蓮の花が一面、咲き誇り、
宝蔵を美しく包みます。
御影堂と向かい合う
祈りの大日堂
大日堂
現代(平成12年/2000年) 入母屋造 本瓦葺
大日堂は、東寺のなかで、一番新しいお堂で、もともとは、江戸時代、御影堂の礼拝所でした。
その後、桓武天皇、嵯峨天皇をはじめ足利尊氏などの位牌を納める尊牌堂(そんぱいどう)となり、さらに大日如来を本尊としたことで、大日堂となりました。
いまは、先祖供養などの回向所(えこうじょ)となっています。
日本最古の神像が鎮座する
鎮守八幡宮
鎮守八幡宮
現代(平成4年/1992年) 入母屋造 銅板葺
鎮守八幡宮は、東寺が創建されたとき、王城鎮護を願って祀った社です。僧の姿をした僧形八幡神(そうぎょうはちまんしん)と二尊の女神(じょしん)は、弘法大師空海みずからが彫ったものと伝えられている、わが国最古の神像です。武内宿禰(たけのうちのすくね)と呼ばれる男神像が付属しています。
鎮守八幡宮は、平安時代に薬子(くすこ)の変を鎮めたと伝えられ、戦勝祈願の社として名高く、足利尊氏も祈願に訪れました。
盗難の傷痕が残る
平安時代の宝蔵
重要文化財 宝蔵
平安時代 校倉寄棟造 本瓦葺
弘法大師空海が唐の国師、恵果(けいか)から授かり、現在、国宝となっている密教法具や両界曼荼羅(りょうかいまんだら)、犍陀穀糸袈裟(けんだこくしのけさ)、仏舎利、五大尊(ごだいそん)など数多くの寺宝を納めていました。そのため、周囲は堀で囲まれ、火事による延焼に備えていました。
扉の取付け方法は、平等院鳳凰堂と同じで、現在使われている瓦の多くも平安時代のものです。床板はきわめて大きな建物の扉を転用したもので、金堂の扉とも羅城門の扉ともいわれています。