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立体曼荼羅

3D Mandala

密教を伝え広めるために建立された講堂。その教えを、視覚的に表した羯磨曼荼羅(かつままんだら)、いわゆる立体曼荼羅(りったいまんだら)は、弘法大師空海の手によるものです。

曼荼羅を抜け出した、如来、菩薩、明王、そして天部の二十一尊の仏さまは、弘法大師空海の教えを、いまを生きる私たちに語り続けています。

2019年6月24日(月)より、国宝 金剛波羅蜜多菩薩坐像を修理のため、当分の間、美術院 国宝修理所に移します。

世界ではじめての
壮大な構想

左・国宝 両界曼荼羅図 金剛界曼荼羅 平安時代
右・国宝 両界曼荼羅図 胎蔵界曼荼羅 平安時代

密教の教えをわかりやすく表現したのが曼荼羅です。曼荼羅には、胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)と金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)があり、それぞれ、理と智慧(ちえ)という教えを伝えています。

その曼荼羅を、よりリアルに伝えるために、弘法大師空海は具現化することを構想しました。それが羯磨曼荼羅(かつままんだら)。一般的に立体曼荼羅として知られているものです。

重要文化財 大日如来坐像 室町時代 木造漆箔

弘法大師空海は、大日如来を中心とした二十一尊の仏さまを講堂の須弥壇に登場させました。曼荼羅の中心に大日如来が描かれているように、東寺の中心に大日如来を安置して、寺域を巨大な曼荼羅にレイアウトしたのです。

「これが、密教か」

立体曼荼羅は、当時、最も先鋭的なビジュアルだったに違いありません。

大日如来を中心に五智如来(ごちにょらい)。大日如来に対面して右側に、金剛波羅蜜多菩薩(こんごうはらみったぼさつ)を中心にした五大菩薩(ごだいぼさつ)、左側に、わが国にはじめて紹介された不動明王を中心にした五大明王(ごだいみょうおう)。須弥壇の四方には、四天王、そして梵天(ぼんてん)、帝釈天(たいしゃくてん)が警護するように配されています。

立体曼荼羅配置図

その容姿、その色彩、その形相。どれほどセンセーショナルだったことか。立体曼荼羅を前に、平安の人々が感じた、驚き、恐れ。講堂の扉を開け、心を動かしてみてください。