東寺は、国宝25件・81点、重要文化財は52件・23,603点保有しています。 ここでは主な寺宝をご紹介します。 【公開時期は未定です】
両界曼荼羅図
〔西院本曼荼羅(伝真言院曼荼羅)〕
国宝 平安時代 絹本著色
現存する最古の色彩曼荼羅です。寺伝では、金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅は宮中の真言院で行われていた後七日御修法(ごしちにちみしほ)で用いられていたと伝えられることから、ながらく伝真言院曼荼羅と呼ばれてきました。近年は、東寺内の西院(御影堂を中心とする一画)で懸用されたことから、西院本曼荼羅とも称されています。
真言七祖像
国宝 唐・平安時代 絹本著色
真言宗の教えを受け継いだ祖師を描いた画像です。弘法大師空海が真言宗の第七祖、唐の恵果(けいか)より授かったもので、宮廷画家の李真(りしん)らによって5幅が描かれました。書は弘法大師空海筆とされています。
弘法大師請来目録
国宝 平安時代 紙本墨書
弘法大師空海は唐から持ち帰った経典、密教法具、書、曼荼羅などを記した目録を朝廷に提出しました。仏像の項目には、師の恵果の言葉として、密教は文字では理解できない、絵図などの力を借りなければ奥義を伝えることはできない、とあります。
五大尊像
国宝 平安時代 絹本著色
宮中の真言院で行われた後七日御修法で用いられていました。不動明王をはじめとする五大明王が躍動的な姿勢で描かれています。忿怒の表情を抑えて全体的に穏やかに描かれ、装飾に富んでいます。
十二天屏風
国宝 平安時代 絹本著色
真言密教の正当な継承者になるための灌頂(かんじょう)の儀式に用いられていました。宋画の影響を受けた勢いがある筆線が特徴です。顔は面長で理知的な表情を描き出しています。
金銅密教法具
国宝 唐時代
金剛盤(こんごうばん)、五鈷杵(ごこしょ)、五鈷鈴(ごこれい)の一式で、密教の修法に使われます。
現在も後七日御修法で大阿闍梨の所用具として用いられています。
犍陀穀糸袈裟
けんだこくしのけさ
国宝 唐時代
弘法大師空海が恵果より授かった袈裟で、弘法大師自身も使用したものです。本来、袈裟は、使い捨てられた布を洗い清めて継ぎ合わせたもので、それを織物で表現しています。
海賦蒔絵袈裟箱
かいふまきえけさばこ
国宝 平安時代
犍陀穀糸袈裟を納めていた袈裟箱です。波、水鳥、魚、亀などが描かれています。この図柄は正倉院の宝物のなかにも見られます。弘法大師空海が海を渡り、密教求法の旅に出たことを想起させる袈裟箱です。
弘法大師尺牘
〔風信帖〕
こうぼうだいしせきとく
(ふうしんじょう)
国宝 平安時代
弘法大師空海が伝教大師最澄に宛てた書状3通を1巻にまとめたものです。1通目の書き出しが、「風信雲書」ということから、風信帖と呼ばれています。